製造方法の特許を出願する意味はあるか?

 

一般に、「製造方法の発明」に係る特許権は、「物の発明」に係る特許権よりも弱いと言われています。

その主な理由として、「侵害の発見が困難であること」が挙げられます。

 

物であれば、市場に流通する過程で侵害を発見することができます。

 

一方、製造は通常、工場内で行われますので、特許権に係る製造方法が実際に利用されているかどうかは、相手方の工場の実態を把握しなければ分かりません。

しかし、現実的に他社の工場内を調査することは不可能に近いため、侵害の立証が困難になるのです。

 

こうした背景から、「製造方法の発明を特許出願することは、費用対効果の観点であまり意味がない。むしろ企業秘密を公開するだけ損だ」という考え方も一理あります。

 

もっとも、現在はコンプライアンス意識の高まりにより、企業は、「バレなければ大丈夫」と考えるのではなく、「万が一、侵害で訴えられた際のリスクが大きすぎるため、模倣は避けよう」と考えるはずです。

また、特許法第104条には、侵害の立証を助ける生産方法の推定規定も置かれています。

 

したがって、ライバル社が容易に思い付きそうな発明であれば、製造方法であっても出願することをお薦めします。

一方、ライバル社がなかなか思い付きそうにない発明であれば、秘匿してノウハウを守るという戦略が有効でしょう。